FT-707s修理Ⅲ

前回からの続きです。

デップメーターで水晶振動子を半日ぐらい強制発振させてから試しに基板に戻して発振するか確認して見たら3逓倍のオーバートーンで無事発振し始めました。

f:id:nap2:20200524024526j:plain

出力トランスのコアを回して発振が安定している個所に取り合えず合わせておきます電源入り切りをしながら確実に3逓倍のオーバートーンが安定して発信する位置を探しました。。

次にダブルバランスドミキサーの後プリミックス周波数を確認したのですが途中で信号が減衰してバンドパスフィルターの後では信号が出てません。

テスト端子は周波数カウンターへ行く出力部で同じ周波数がトランス後に出てきていないのです。

f:id:nap2:20200524025708j:plain

回路図でローカル信号からダブルバランスドミキサーを通ってバンドパスフィルターまでを確認して見た。

f:id:nap2:20200524030757j:plain

青線がローカル信号の回路で緑線がVFOとミクサーされた信号線です他のバンドはキチンと複同調のバンドパスフィルターを通過するくらいの出力が有るのでどうも21MHz用の水晶振動子がまだ本調子で3逓倍のオーバートーンに順応していない様です(笑)

確認の為21MHz用バンドパスフィルターに付いていたパスコンを外して垂れ流しで確認して見た。

f:id:nap2:20200524031707j:plain

周波数カウンターへ行く線と21MHz用バンドパスフィルター通過後の位置でも何とか信号を確認できるようになった、まだ水晶振動子が本調子でない為このまま二日間連続で21MHzバンドにしたまま発振続けさせてどうなるか様子を見てみる事にしたダメなら落札した水晶振動子に望みを託すだけですが。

ただ二日間ボ~っとしていると又チコちゃんに(笑)なのでその他の少しで怪しい箇所が無いかと点検しているダブルバランスドICのSN76514の足が真っ黒です。

このICはSSBのトランシーバーを作った時にMC1496共に良く使用しました

f:id:nap2:20200524032548j:plain

真っ黒になっている足を砲金ブラシでゴシゴシと掃除し足の裏側も綺麗にして基板に戻しますがせっかくなのでICソケットを奮発したが14ピンが無かったので16ピンで我慢してもらった。

f:id:nap2:20200524033704j:plain

綺麗になって気分だけは爽快ですが現実は信号強度には変化は無かったです時々は発振強度を確かめつつパネルをやツマミ類を外しては洗っての時間つぶしです。

水晶発振暖機運転3日目ぐらいに外していたパスコン類を元に戻して各トランス類の調整をしたら無事水晶が復活した様で信号強度が戻って来ました。

f:id:nap2:20200524034052j:plain

本当はテストポイント1001にて真空管電圧計にRFプローブ付けて出力700mVになる様に発振トランスのコア調整をしなくてはならないのですが真空管電圧計は持っててもRFプローブが有りませんテスター用の簡易プローブでは全く当てにならなかったです。

落札して3日目の夕方に水晶振動子が入荷しました。

f:id:nap2:20200524035221j:plain

せっかくの水晶振動子ですが今まで頑張ってきた方の水晶を使うことにしましたこうやってパーツが溜っていくんですね~(笑)

一応オーバートーンで確実に発振し受信は全バンド良好だったので送信の方を確認しました。

f:id:nap2:20200524035614j:plain

3.5MHz~29MHzまで全バンド10Wは軽くクリアーしていました3.5MHzの写真が無いのはダミーでも勘違いしてオフバンドでしたので削除しました。

結果ここまで丁度1週間かかりましたが楽しい修理で反省としては局発のRF出力が測れなかった事です。

f:id:nap2:20200524040516j:plain

カン、コツ、度胸の修理ですが無事動くようになりました、しかしLEDのバーグラフメーターは何か味気ないですねモービル機なら我慢もするが固定機として使う時やっぱりアナログメーターで照明が付いていわずかなノイズでも針がチョコッと振れているっていうのが私の理想です。

 

by(^0_0^)nap